19世紀のロシアを代表する詩人、作家のアレクサンドル・プーシキン。
本書は、プーシキンの短編集(5編)「ベールキン物語」からの一編
「葬儀屋」の邦訳になります。
挿絵を手掛けたのは、ロシア出身の美術家ワルワーラ・ブブノワ。
ブブノワはロシア革命前後の芸術運動(ロシア・アヴァンギャルド)に
ロトチェンコらと共に活動していましたが、先に音楽家として来日して
いた妹アンナの招きにより1922年に来日。大学でロシア語の教師を
しながら、石版や鋼版を学び、日本の新興芸術家との交流を深め、
日本の前衛芸術家のひとりである村山知義に影響を与えた人物でも
ありました。
鮮やかな色彩、大胆な線が印象的なブブノワ作品を堪能できる一冊です。
表紙の人物はプーシキン本人で、裏表紙はプーシキンによる挿絵。
翻訳を手掛けたのはブブノワの教え子のひとりだった中山省三郎。